Jan 31, 2010

-Question 1- 世界の抱える問題、抱えるであろう問題



世界の抱える問題とは何か。
これから自分たちが暮らし、作り上げていく社会の問題は何か。


多数あると思います。
例えば私が現在注目しているのは「Neo高福祉国家のモデル」です。

みなさんも御承知の通り、北欧の多くの国家は福祉国家と言われています。
税金の高さは世界基準にしても非常に高く、スウェーデンやデンマークに至っては消費税率が25%と世界最高レベル。

ここでおもしろいのは、高福祉国家と言われる北欧諸国は、現在景気低迷を続け、
そのレジームの影響から大企業のみの生存が維持されているだけです。
そして、北欧諸国が現在目指している国家モデルは日本ということが注目されます。
消費税率5%で社会保障制度がガタガタの日本が、高福祉諸国のモデルとみられているわけです。



話が逸れましたが、今回の首題にあるように、
これからの世界が抱える問題とはなんなのでしょうか。

私は「ITの進展とその終焉(変化)」と考えています。

現在の多くの企業の事業モデルにおいて、ITは欠かせないものとなっており、
ベンチャー企業の多くはホワイト・スペースを見つけようと様々な事業展開を見せています。

しかし、社会は常にパラダイム・シフトによって激動を迎えてきました。
興味のある方はトーマス・クーン氏の『科学革命の構造』をお勧めします。

現在の世界を席巻しているものは明らかにITだと思います。
もはやPCは生活必需品となり、モバイルも急成長を見せ、ついには「iPad」まで登場しました。

現代における革命ともいえるITの成長はどこに着地するのか。

おそらくそれは人間そのものへの最適化だと考えます。

人間の行う活動全てにテクノロジーが適応され、
もはや人間無しでも世界が廻ってしまうのではないか、と思います。
これは問題というよりも一種の危機感にも似た感覚ではありますが、
その行きつく先がどうしても明るくは見えないのです。

医療が倫理と戦い、kindleが倫理と戦い、Googleもいずれは倫理と戦うことになります。
それはITも同じではないでしょうか。


グローバル化のもたらした影響は過度に大きく、
現在まで成長(膨張)を続けています。

このことが、将来の世界において、もろ刃の剣として立ちはだかるのではないか、と考えています。




【議論求む】
・ITの今後についてどう思いますか?
・あなたの考える「今後の世界が抱える問題」はなんですか?
・それに対する効果的な打ち手はなんですか?


人に意見は発言無しには伝わりません。
届きませんし、変えられません。

3 comments:

  1. おひさです。KYです。
    ・ITの今後についてどう思いますか?
    半ば希望を込めて言えば、将来的には「溶け込むIT」が一般に普及する一方、「IT独自の世界」が拡大するのかな、と思います(予想という程じゃありませんけど)

    「溶け込むIT」は「ITと思わずにITを使う」ということで、既に実現してる部分もありますが、今後は子どもや老人といったこれまでITを利用していなかった人達も取り込んでいくのではと思います。その中で、より人間にとって使いやすいIT関連の技術が普及するのかなと。そこには子どもでも感覚で使えるiPhoneみたいなデザインの側面もありますが、同時にITがどこにでも組み込まれるという側面もあるのかなと思ってます。

    ・あなたの考える「今後の世界が抱える問題」はなんですか?
    「世界」を地球全体と考えるのであれば、おそらくは特に問題は無いと思います。世は全て事も無しって感じで。気候変動だって一つのリズムな訳で、それは別に「世界の問題」って感じではないと思います。
    ただ、もう少し人間寄りの立場で考えるなら、グローバル化がすすむ中で何を規制し、何を放置し、また各国・地域がどのように自立性を保つのか、という問題があると思います。

    規制については金融問題、天然資源の売買、国家権力などなどありますが、要するに世界が狭く感じられる中でどうやってルールを作っていくのか、という話です。国際政治的リアリズムで考えるならばきっと大国主導が正しいのでしょうが、個人的にはそういう他の不満を抱えた状態で少数の国が得する制度は軋轢を生むので、できれば大国がある程度損と負けを受け入れる事が必要なのかなと思います。ま、国民としては嫌でしょうけど。

    放置については、様々な国際的ルールが作られていくなかで、我々が触れない部分はどれだって話です。それは権利だったり芸術だったりしますが、より大きな問題としては「民族自立」とか「自治権獲得」といった正当な要望をどうするのか、という話でもあります。昔は放置されてたけど、現在はなんとなーく規制されてる、というあたりに問題があるのかなと。

    で、最後の自立性ってのは、グローバリゼーションが進む中で一つの事故や事件、現象があっという間に波及して、しかも多数の国や地域が巻き込まれてしまうという問題をどうするのという話です。おそらくは当分「国」という枠組は無くならないとは思いますが、だとしたら各国が各国なりに自立性を確保しないと、つまり周辺国や様々な状況にその存立を任せていると、一箇所どこかが破綻した際に全部ドミノ構造でぶっ倒れると思います。金融危機はその一つでしょうけど、要するに同時性と連続性が増している現在において、各国がある程度自立して自国を守るというのは全体のリスク管理として必要だろうということです。
    別の側面としては、「援助(緊急&開発含む)」によって現在の状況を手に入れている開発途上国が、早急に自立する必要があるだろう、という事でもあります。地震が起きたハイチには各国からの支援が流れ込みますが、あの支援が来なかったりいきなり止まったらどうするのでしょう?本来はそういった支援が無くとも何とかなる(もしくは確実に支援が来るような)仕組みを持っていなければあかん、ということです。

    で、これらに対する効果的な解決策なんですが、思いつきませんねー(笑
    ただ、少なくとも上記の議論が「国家」という枠組を前提とした物であるので、その枠組に批判的な考えを持って、代替的概念ないし枠組を成立させることを念頭に置くなら何か考えられるかもしれません。

    ちなみに、そもそもこうした「世界的問題を解決しよう」とか「世界を管理しよう」という方向性を検討する必要はあるかもとは思います。そうした事が「必要」なのはなぜなのか、それをきちんと考え無いと、単なる価値観の押しつけになってしまうので。

    長くなりましたがこんな感じで~

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  2. >Yujiさん

    ・ITの今後について
    Yujiさんのおっしゃる通り、ITがあらゆるものに組み込まれる、ということは既に加速度的に進んでいると思います。
    またIT独自の世界、ということについてですが、そこについては既に確立しており、他業界への進出(浸食)がまずはどこに向かうのか、というところに大きな論点があると感じます。
    例えば今後のGoogleが狙っていることは誰もが知るところですよね。

    ・世界の抱える問題
    Yujiさんのおっしゃる問題意識はもっともだと思います。
    特に気になる部分は「各国がある程度自立して自国を守るというのは全体のリスク管理として必要だろうということ」という部分です。

    国という枠組みは当分は崩されない、とおっしゃっておりますが
    そこには私は非常に懐疑的です。
    もちろん否定するわけではなく、もちろん概念的な国家というものは、もはやグローバリズムの残滓として残るとは思いますが、
    それ以上に「階層的世界」が着々と形成されていくのではないか、と思っています。
    つまりハンチントンの予想する世界がさらに進んだ場合の世界像ということです。

    そこで各国の自立、という点に関しては
    階層化が進むことでおそらく10年単位で地域の自立が起こるのではないかな、と考えています。Yujiさんのおっしゃる「民族自立」もその一つです。


    解決策は既に文章中に現れているのではないでしょうか。
    地域という名の「階層」こそが一種の解決策であり、過渡期の姿であり、問題であると同時に回答なのではないかと思います。

    わかりづらくてすいません。
    ご意見ありがとうございました。

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  3. レスさんくすです。
    YujiからYujinへ

    てか、英語にするとお互いホントに区別しにくい名前だな(笑
    >>またIT独自の世界、ということについてですが、そこについては既に確立しており、他業界への進出(浸食)がまずはどこに向かうのか、というところに大きな論点があると感じます。

    確かに、例えばBLOGや掲示板、Twitterのような「独自のIT空間(本当は空間ではないけど」は既に確立しているけど、個人的には現在のIT空間はBLOGならBLOGの、掲示板なら掲示板のっていう風に操作するフォーマット毎の特徴が出ていると思うんだよね。例えばそれが、「IT空間」として統合されていくのかなっていうのが「IT独自の世界」の意味する所です。
    既にWebのプロトコルができあがっている時点で共通のフォーマットの中で我々はWebを利用している訳だけど、HTTPなんかは基本的に「見せる→見る」っていう一方向が基本で、双方向や多方向をそもそも指向したものじゃないと思うんだよね。だから、そもそもそうした双方向・多方向を目指したフォーマットができあがっても良いのかなと思ったりしてます。

    >>国という枠組~~
    確かに「国」という概念そのものは消えないでしょうね。
    例えば現在の国際法は一旦成立して承認された「国」を無くす術をもってないし、「国」以外の国際社会を構成する政治的&皆が納得する基礎単位を新たに作ることも難しいでしょうし。

    記憶が定かじゃないけれど、かつてUNを作る際のチャーチル提案は、欧州・アジア・アメリカって三つの地域ごとに地域機構を成立させて、それぞれの代表が安保理に出る、というようなものだったそうです。
    最終的にはそういう方向性もありえるのかな、とYujinのレスをみていて思いました。

    ただ、仮にそうやって階層化が進んだ場合、諸々の力を管理する事のできる上層が存在する限り、下層の独立、自立はないんじゃないですかねぇ。だって下層が独立すること、自立することは上層にとっては不安定要因になるわけで。中国が大チベット圏なる考えに真っ向反対なのもそういう理由だと思います。(そもそもコントロールを目的としない上層なら、それはそれで混乱すると思うけど笑)

    それと雑感ですが、記事末尾の質問は一つに絞った方が答えやすいのかなと思います。(しょっぱなから長い投稿しといてアレですが)

    でわでわ~

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