Feb 17, 2010

- Question 4 - 学生団体は社会不適合に陥るのか

こんばんは。Yujin.Hです。
今日はYujinに会いたいという変態な人に会ってきました。
もちろん初対面でしたが、予想通り噂は盛られていました。笑

この時期、就活生は同じ立場の学生に会いたいものなんでしょうね。
かくいうYujinは就活先では営業の気分です。
所属している学生団体の売り込みみたいなことをいまだにやっています。
広報ですね。笑

いろんな社会人に知ってもらうことも大事だし、
いろんな学生に知ってもらうことも大事。
自己成長だけしたいというマインドなら、学生団体ではシナジーは生まれない。
Inter-Activeを求めるのならば、
枠内に留まる意味は全くといっていいほど、ない。




学生団体は社会不適合に陥るのか、ということですが、
Yujinのはじき出した応えは、Yesの可能性が非常に高い、です。

今までいろんな学生団体の代表と会い、
いろんな学生団体を見てきましたが、
”自分たちに何が求められているのか”
”社会は何を求めているのか”
を考えてはいるが、それがアウトプットに繋がっていないことが多くありました。

サークルならば問題はないと思います。
むしろそういうことを考えられているサークルは素晴らしいと思いますが、
学生団体(例えば学生運営のNPO)はそうはいかないはずです。

平成10年に公布された特定非営利活動促進法(通称NPO法)
(cf:http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H10/H10HO007.html
がその大きな法的根拠となっていますが、
基本的に法人格をもった学生団体には、それなりの権利があり、
権利があるからこそ義務があります。


ここでの問題は、それら個々の団体が法に定める活動に応えていない、ということではありません。
個々の団体では成し得ない(つまり”できない”)と判断を下さないことにあります。
大きな理念を掲げ、それを目標とすることは大事だと思いますが、
それが現状では達成し得ないと考えたときに、
すぐに内向きになることに問題があると考えます。
つまり他の団体と協力しようと考えず、
全て自らの団体のみで達成しようと考える傾向にある、ということです。


これは現在の私のいる環境(就活)に置き換えても同じことが言えます。

他社に勝って、自分でこれを成し遂げたい。
自分の力でこれを達成したい。
新しいことを、0→1を構築したい。

そういうことを考え、面接で言う学生が増えているようですが、
それは視野が狭い証拠だということです。
既に先陣を切っている企業があるならば、
そこに学び、時には協力関係を結び、相乗的に達成することが社会では当たり前です。
その最たるものはM&Aですが。


学生団体の代表者と会うと、どうもそういう人が多い。
自分で達成したいという意欲は非常に大事だと思いますが、
それで目的が達成できないのならば、法の下に存在する意味は一時的にはありません。
もちろん長期的に達成するというビジョンで応えるのでしょうが、
それで社会は認めるのでしょうか。


自己顕示欲と自己達成欲が高い団体が多いのはなぜなのでしょうか。
もっとBreak Downすると、
1.団体会員全員が組織的達成を至上目標としている
2.そもそも代表者が周りも本質も見えていない
3.苦労することに美徳を感じる

こんなところでしょうか。

断っておくと、全ての学生団体がそうである、とは言いません。
ただ、歴史的にそういう団体が多いというだけです。
(cf:オットー・フォン・ビスマルク
Nur ein Idiot glaubt,aus den eigenen Erfahrungen zu lernen.
Ich ziehe es vor,aus den Erfahrungen anderer zu lernen,um von vorneherein eigene Fehler zu vermeiden.

愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ)

そこで、
それら個々の団体を繋ぐネットワークが必要だ、と考える人は多くいます。
ただ、多くの場合それは頓挫します。
なぜならネットワーク構築が目的となってしまっているからです。
その先の機能について深く考えず、思いつきだけで行動する人が多いからだと思います。


今回のSOCIOは社会が見えていない、本質の見えていない学生団体、です。
このままでは日本の学生団体は乱立するだけで、大したインパクトもなく埋もれます。

そこにどういうRE:をするか。
Yujinは早速日本全国津々浦々を回り始めています。
まずはヒアリングから。

6 comments:

  1. 以前「失敗の本質」(http://www.amazon.co.jp/失敗の本質―日本軍の組織論的研究-中公文庫-戸部-良一/dp/4122018331)を読んだのですが、ここで描かれている日本軍の在り方と、今日日本に存在する学生団体の在り方は、共通項が多いと思います。

    グランドデザインを描けず、経験を頼りに場当たり的に戦闘に臨み、自己変革機能を失っていた日本軍。多くの学生団体も、グランドデザインが存在せず(Yujinさんの言うアウトプットの欠如)、引き継ぎ文書を頼りにそれぞれのイベントをこなし(全てがその場の空気、感覚によって決定され、そこに団体としての理念に基づく価値基準は存在しない)、外部からのフィードバックを生かせずYujinさんの言う協力関係の締結といった新たな選択肢をとらないしそもそも見出せない。まずはこういった現状に自覚的になることから始める必要があるんじゃないですかね。

    学生団体を行うmotivationとしての自己成長ですが、無論それだけでは困りものですが、必要なものだと思います。ただ、順序をはき違えては行けなくて、団体に入ったら成長する、という考えは甘く、その団体として何かActionを起こすには自分は今これが足りない、だからここを伸ばさなくてはいけない、という考え方が、団体にコミットすることでの自己成長においては大切なのかな、と思います。

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  2. >Takafumi
    『失敗の本質』は聞いたことがあるのだけど、読んだことがないので
    今度会う時に内容を是非教えてください。

    Takafumiの言うとおり外部という選択肢すら見えていないのがそもそもの歪みだと思います。
    そしてその状況を自覚しつつも、あえて目を向けようとしない人が多い。
    それが過剰な自己達成欲の表れなのかわかりませんが。

    たぶん大学生レベルだと、団体に入るmotivationというかincentiveは何パターンかあって、
    ・友達をつくる(コミュニティを拡げる)
    ・学術的な見識を深めるor互いに高める(自己成長)
    ・実務的な知識やスキルを高める(将来を見据えて)
    などなど。

    Takafumiの言うとおり、
    もし団体でやりたいことがあって、それができないのであれば、
    それを全て団体の責任とせず、自らの他いりないところを認識したうえで、
    成長し、自らの手で成し得ればいいと思います。
    (その志すら無いのはどうかと思いますが。)

    それでも不可能なのであれば、外部に頼るのは決してカッコ悪いことではない、ということを理解すべきだと思います。

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  3. Takafumi君のコメントを読ませてもらいました。その上で、旧日本軍になくて現在の学生団体にある構造的な問題として、「メンバーが組織に所属することのできる時間の短さ」があるのではないかと考えました。
     旧日本軍の場合、大抵のメンバーは30-40年間軍に所属することができます。複数年同じ部署で経験を積みつつ、色々な部署への異動を通して広い視野も手に入れることができる。そんな経験を積んだ人たちがノモンハン事件でのソビエトとの戦闘から何も学ばない。また盧溝橋事件を拡大させて日中戦争の先鞭をつけた牟田口廉也が、数年後にインドで無謀なインパール作戦を立案して遂行していたりすると、さすがに勘弁してくれ、という気持ちになってしまいます。
     一方学生団体の場合、多くの学生はそれぞれの団体に3年、多くて4年の所属が限界でしょう。1年目によくわからないまま参加を始め、2年目に引き継ぎ文書を見ながらがむしゃらに仕事をこなす。3年目で初めて運営の中核を経験し、色々思うことも出てきたところで、就活→引退となってしまうのがよくあるパターンだと思います。
     メンバーのグランドデザインや理念・新たな選択肢の欠如は、個人の自覚の問題の裏に、時間的制約という構造的な問題もあるのではないでしょうか。目の前の自分の団体の運営に必死で余裕がないから、外部との協力ということにも気づけないのかなと思います。(もちろん、1-2年で理念や社会的意義を考え、3年で実行に移すことのできる学生もいるのですが、(僕なんかはほえー、すげーと思ってしまうのですが)多数ではないでしょう。)(また、>愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ・>経験を頼りに場当たり的に戦闘に挑み、というように、経験だけに頼ることは良くないことですが、自分の活動の理念や意義を考えるにあたって、ある程度の基本的な経験は必要だと思います。)
     このブログはマーべリックな提案をだしてRE:SOCIOするのが目的ですよね。ではでは、この「メンバーが組織に所属することのできる時間の短さ」という問題に対するマーべリックな(笑)提案をあえてさせてもらうと、学生団体ではなく、生きている限り学生の時から継続して所属することのできる団体、つまり生涯団体に団体の形を変えるというのはどうでしょう。
     学生のうちでその団体は卒業するのではなく、無理のない形で一生メンバーとして携わることのできる団体。そのような団体は、長期の活動から得た経験を運営に生かすことができるし、社会の視点も導入することができるのではないでしょうか。(思い返してみれば、僕が去年の冬休みにフィリピンに行くときにお世話になったNPOもそのような団体なので、決して新しいものではないと思いますが。)

    P.S. >日本の学生団体は乱立するだけで、大したインパクトもなく埋もれます。
    「日本の」ということに限定した意味は何かあるの?海外の学生団体には大したインパクトがあるものもあるのかな?

    P.S2 スローガン行ってるっぽいね。実は僕も去年の4月ごろ結構行ってたよ。面白いよね。

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  4. >koh
    おもしろい洞察をありがとう。
    模擬国連に限っていうならば、グランドデザインが描けないのは、
    企業でいうところのVisionやMissionがなく、そもそも全体観がないからなのかな、と思います。
    それがそもそも必要かどうかは検討するべきですが。

    時間の短さは学生団体の宿命とも言われてきましたが、
    NPO法人化することで(大学の枠から外れるので)、
    社会人だろうとも参加できるようになると思います。

    例えばNPOでなくとも、Yujinの所属しているボーイスカウトは
    生まれてから死ぬまで参加資格はありますし、
    現に参加している人は多いです。
    もちろん長年の経験の蓄積から歴史ができあがり、
    常に成長している団体だと思います。

    立ち上げてみたいですね。
    最初は模擬国連出身者だけでもいいので。


    RE:P.S.
    海外の場合は大学単位で研究団体として学生団体が存在している場合が多いので、
    大学の名前でインパクトをもっている団体は多くありますね。

    RE:P.S.
    今日スローガンの社員さんと話していたら、kohのこと知ってたよ。笑
    就職先決まったらあそこでインターンするので、
    良かったら来て下さい。笑

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  5. うーーーーん、耳が痛いです。
    今回の記事、非常に考えさせられました。

    人と人を繋ぐとか、協力関係を築くとか、一言で言うけど本当にそれをやっている場って少ないな、と思います。

    物議を醸すコメントが出来ずすまん。

    >既に先陣を切っている企業があるならば、
    >そこに学び、時には協力関係を結び、相乗的に達成することが社会では当たり前です。

    ここにとっても共感したので、とにかくそれを言いたかった。アウトプットをどのように行うのか。なるほど、ぬおおおー

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  6. >もえひこ
    いえいえ、身に余る言葉、光栄です。
    たぶん学生(Yujinも含めて)が言う”協力関係”と
    社会人(特に経営者)の言う”協力関係”って、
    実は似て非なるものなのかな、と最近は感じています。

    ただ、就活ばかりに集中するのではなく、
    自分が大学時代に続けてきた活動などを、
    忙しいことを言い訳にせずに続けられれば、
    また違った世界が見えるのかな、と思います。

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